各種先端技術の生産への適用


私が働いていた電機メーカを退職してから、約1年経過した。
当時と状況は変わっているかもしれないが、AIやIoT等の先端技術が生産にどう使われたかを書いてみる。

AI/IoTを生産に適用するストーリーとしては、不良やボトルネックにおいて、
センサや設備から情報を体系的に取得(主にIoTの部分)し、その情報の見える化と分析を行い(主にAIの部分)、
生産設備にフィードバックする、という流れである。
これらが自動的に行える事で、熟練者がいなくてもスピーディに低コストでできる、というのが謳い文句であった。

さて、生産における課題は、品質不良やボトルネック(一番時間がかかっている部分)の解消等があげられる。
ある程度経験があると、原因はこれかな、という検討はつく。
例えば、マシンの設定データに無駄な項目があった、治具が摩耗している、Lotによる部品の変化に対し設定データの変更が必要等である。
非常に多品種になってくると、これらに対応できないのだ。

生産において、IoT/AIによりデータを収集/見える化/分析した所から、分かった事は確かにあり効果もあった。
ただその効果は小さい。前章で述べたように、ビジネス全体で生産の価値自体が少ないためである。

AI/IoT等を生産技術に活用する取り組みは間違っていないだろう。
それが有効化どうかは、結局ビジネス全体の中で、生産の価値がどれほどかによるのだろう。
価値があまりない場合、やっても意味がないのだ。